温暖な気候の静岡は、花の生産量が全国トップクラスを誇ります。ガーベラ、切り枝の出荷量は全国1位、バラやカーネーションなどの生産量も多く、華やかで良質な切り花が全国へ流通しています。
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バラ
静岡市、中遠地域で多く栽培されているバラは、志太地域でよりいっそう盛んに栽培され、1年を通して多彩な種類を出荷しています。昭和30年の岡部町(現藤枝市)の露地栽培がはじまりとされ、昭和39年に本格的な施設栽培が行われるようになりました。現在では、焼津市、藤枝市、島田市で約8haを栽培、主に静岡県内や京浜方面に出荷されています。JAおおいがわ花弁協議会バラ部会では、約100種類近くの品種が栽培されており、大輪系、中輪系、1本の茎から小輪の花が複数咲くスプレー系、花色は赤系、クリーム系、イエロー系、茶系などバラエティ豊か。そして、種苗メーカーの協力を得て、オリジナル品種の栽培にも取り組んでおり、花色の異なる数多くの品種の栽培にチェレンジしています。また、近年では、専用容器に水を蓄え、切り花に絶えず補給し、常時低温で出荷輸送するシステム「バケット低温流通システム」により、生産段階から市場まで一貫して鮮度保持を図れるようになりました。それにより、切り花の日持ちをより良くすることを実現。購入者から高い評価を得ているのです。
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ガーベラ
キク科の多年草で、原産地は南アフリカ。花輪の大きさによりスタンダード系かミニ系、一重咲きか八重咲き、花弁が糸状のスパイダー系といった具合に分類されるなどバラエティに富んでいます。色も多彩で、赤、黄、ピンク、白、オレンジなどの色があります。幅広い形や色のあるガーベラは、自宅用からギフトまで幅広く用いられています。静岡県は全国第1位の産出額を誇るガーベラ産地で、全国生産量の38%を占めます。浜松市は、「ガーベラなら浜松」と全国に知られるほどの一大産地で、その中心は浜名湖に面した舘山寺・庄内地区で1年を通じて出荷しています。また、島田市、牧之原市でも栽培が盛んです。人気品種の移り変わりが激しく、生産者は市場の動きに対応するための情報収集、高品質の花生産のための栽培研究、消費宣伝活動等を行い、日本一のガーベラ産地の発展のため日々努力を続けているようです。花言葉は、「希望」「前進」があります。それに加え、ガーベラは多くの色が存在することから色別の花言葉が存在します。例えば、ピンクは「感謝」「崇高美」、赤は「神秘」「燃える神秘の愛」、オレンジは「神秘」「冒険心」、白は「希望」「律儀」、黄色は「究極美」「究極愛」など。どの色の花言葉をとっても前向きな言葉が選ばれています。
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トルコギキョウ
花弁が一輪でカップのような形で花を咲かせるトルコギキョウは、枝数が多く、花がたくさんついているという特徴を持ちます。花色も多く、紫、白、赤、黄、ピンク、緑、青、白地に紫やピンクに緑など様々。品種改良が進んだことで、八重咲きのものやバラのような形のものなど、多様な咲き方をするものが出てきており、流通量が年々増加傾向にあります。静岡県内では静岡市、磐田市、掛川市、袋井市、菊川市で栽培されています。また、全国で時期をずらしながら周年出荷されています。静岡県では、出荷量が少なくなる冬季を支える「冬の産地」として知られ、秋から春が出荷シーズンとなります。八重咲きのボリューム感のある品種が、最近人気です。牧之原市や島田市等では、土壌熱水蒸気消毒等をいち早く導入し、環境保全に取り組んでいます。原産国は北アメリカでネブラスカ州、コロラド州、テキサス州などのロッキー山脈の高原地帯に自生している花です。「トルコキキョウ」は和名で、蕾の形がトルコの人が巻いているターバンのようで、咲き方がキキョウに似ていることが由来という説があります。学名の「ユーストマ」はギリシャ語で「eu=よい」、「stoma=口」という意味であり、「釣鐘上に咲いた花の形」から名づけられたという説があります。日本に初めてトルコギキョウが輸入されたのは1930年代で、当時はラベンダー色のみで一重咲きの小さな花を咲かせる品種でした。1970年代に入り、現代のような多彩な色や咲き方を楽しめるようになったのです。今では一般化していますが、ここ10年ほどで栽培面積が飛躍的に伸びています。色や形の豊富さや花持ちのよさから母の日やブライダル、仏花としても人気が高まっています。花言葉は「優美」「希望」「よい語らい」。
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キク
日本を代表する花でもあり、天皇家の紋章でもあることから古来より日本人にとってゆかりのある花です。原産国は中国で、切り花としては周年手にすることができます。旬は9月ごろ、秋のキクは種類豊富で色ノリもよくなります。9月9日は、菊の節句とも言われる「重陽の節句」でもあります。キクはたいへん日持ちがよく、極端に暑くない環境であれば2~3週間ほど花が楽しめます。静岡県の切り花の中で最も産出額が多いのがキクです。静岡県農林技術研究所や県内の生産者は、新品種開発に取り組んでおり、本県オリジナルの品種も開発されています。中には県内だけでなく、全国的にも知られる育苗家もいて、焼津市、藤枝市で主に栽培されています。キクには、大きく分けると4つのタイプがあり、一般的な一輪咲きの「輪菊」、スプレー咲きタイプの小さな「小菊」、洋風の一輪咲きタイプの「ディスバッドマム」または「マム」、洋風スプレー咲きの「スプレーマム」があります。仏花だけでなく、アレンジや自宅用など用途に合わせて多くの場面で利用されています。なかでも近年では、洋風のキクが人気で様々な品種が登場しています。花言葉は「高貴」「高尚」「高潔」「逆境において快活」。
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洋ラン(オンシジウム)
洋ランは輸入品が増加傾向にあるため、静岡市で主に育てられている品種は、数少ない国内産地として評価されています。なかでも、静岡市の清水区の温暖な気候を利用して良質なオンシジウムが育てられています。オンシジウムは、ドレス姿の女性が踊っていると例えられる洋ランの一種です。和名では「群雀蘭(むれすずめらん)」と呼ばれ、花の様子が、雀が群れているように見えることから名づけられています。定番品種である黄色系の「サムライオー」や「イエローエンジェル」をはじめ、甘い香りが特徴的な「シャリーベイビー」などの品種が出荷されています。出荷時期は周年で、9月~12月が最盛期です。花持ちがよいので、切り花として花束やフラワーアレンジメントにも使われています。一方で、乾燥に弱いという弱点もあるため、花を長く楽しむためにも注意が必要です。加えて、暑さには強く、寒さには弱いという特徴を持ちます。花言葉は「清楚」「一緒に踊って」。
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カーネーション
カーネーションは、はナデシコ科の多年草であり、原産国は南ヨーロッパ、西アジア。花色は、赤、ピンク、白、黄、オレンジ、紫、緑、褐色と多くの色があり、可愛らしい八重咲きが特徴的な花です。寒さ、暑さに強いという特徴があります。歴史は古く、17世紀のヨーロッバだけでも300種以上の品種があったと言われ、日本には江戸時代に輸入されました。世界中で母の日の贈り物として、母へ贈ることが多い花ですが、普段から花束やフラワーアレンジメントでも活用されています。静岡県の賀茂地域である東伊豆町、河津町を中心に栽培が盛んで、毎年100種類を超えるカーネーションが栽培されています。この地域の特徴的な栽培方法として、「雨あて栽培」があります。夏から秋にかけてハウスの被覆資材をあえて外し、露天状態にする栽培方法。過剰な高温を避け、日照を最大限活用することにより、高品質な切り花を出荷するのです。特徴的な栽培方法もあいまって、令和元年度、国内最大規模の花の展覧会である「関東東海花の展覧会」にて、この地域の生産者がカーネーション金1席(農林水産大臣賞)を受賞しました。花言葉は「無垢で深い愛」。色によっても異なり、赤は「母への愛」、白は「純粋な愛」「私の愛は生きています」、ピンクは「女性の愛」「美しい仕草」「感謝」、黄色は「軽蔑」、紫は「気品」「誇り」、青は「永遠の幸福」等。
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ダリア
大きな花弁で存在感が溢れる花。花のサイズが超巨大輪、巨大輪、大輪、中輪、小輪、極小輪と多岐にわたり、丈も高いものから低いものまであります。咲き方も一重や八重などと特徴的なものが多く、近年では切り花としての流通が増加傾向にあるようです。色も鮮やかで綺麗な色から印象的なダーク色まで展開されています。花の形がボタンに似ていることに由来して、「テンジクボタン」という和名を持ちます。開花時期は6月中旬から11月。開花時期は長いものの、暑さに弱いという弱点もあるため、地域により見られる時期が異なる場合もあります。原産国はメキシコで、メキシコの国の花としても知られています。いつの時代も美しさに心を奪われるというのは共通の感性であり、ナポレオンの時代からその美しさを巡って争いが起きていたと伝わるダリア。そんな歴史のあるダリアは昔、先住民族の食用や薬用としても使われていました。静岡県では、静岡市清水区で主に栽培されています。清水で栽培されているダリアの品種は、金魚花火やダークナイト、レオナ等が挙げられます。花言葉は「優雅」「気品」「栄華」「気まぐれ」「裏切り」。色によっても異なり、赤は「華麗」、白は「感謝」、黄色は「優美」などと様々。
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